全国に広がる観光列車ブーム。ここ岡山でも新たな観光列車が話題を呼んでいます。その名も『La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)』。
フランス語で『木製の旅行カバン』の名を持つ列車は、JR岡山駅とJR宇野駅間を結ぶ『宇野みなと線』で2016年4月にデビュー。デザイン監修はアートディレクターの北川フラム氏。早くも人気を集めていると聞き、乗車してきました!
こちらが『ラ・マル・ド・ボァ』の車両。岡山駅のホームで、真っ白なボディが一際目立っていました。いかりのヘッドマークがキュートですね!
7月からは、香川・高松に乗り入れが始まります。宇野、高松といえば、船に乗り継ぎアートな島々へとつながる拠点。『ラ・マル・ド・ボァ』は、そのアート旅の、物語の序章のような時間を過ごすコンセプトなんだとか。
こちらが側面。車窓に取っ手がついて旅行バッグのデザインになっているんですね。
岡山駅出発の際は、旅の安全を願い、船乗りが時を告げる『八点鐘』の鐘の音を合図に出発。ロマンチックな演出に気分が高まります!
鐘の後ろは、自転車を組み立てるスペース。
車内にはそのまま積めるサイクルスペース(8台分)があります。サイクリストにとっては、至れり尽くせり。
車内は、サクラ材の床に、モスグリーン色のシート。
2列のリクライニング席と、窓側のカウンター席を合わせて、2両編成の席数は全部で51席。電車の重厚感が和らぎ、まるでカフェのような雰囲気ですね。
カウンター席の頭上はなんと、本棚に!草間弥生や横尾忠則など、瀬戸内国際芸術祭に関わるアーティスト本やガイドブックが揃っています。
席には、岡山イチオシ商品が並ぶメニュー表を用意。果物王国ならではのフルーツ飲料やゼリー、地元名産のお菓子の他、倉敷帆布や児島デニムを使った小物のコラボ商品も充実しています。
商品はすべて、二号車のサービスカウンターで購入するシステム。
今回は、『岡山果汁ものがたり 牛窓レモン&はちみつ』(税込425円)と『きびだんご』(10個入り・税込410円)をチョイスしました。
田園風景をうつす車窓の眺めをお供に、至福のカフェタイムが流れていきます。
『ラ・マル・ド・ボァ』では、乗務員さんを『コンダクター』と呼びます。
旅行の添乗員のように、お客さんの要望にこたえる『コンダクター』の存在も、『ラ・マル・ド・ボァ』の大事な要素。さわやかなマリンルックの制服も手伝って、乗客の皆さんが、気さくに声を掛けていたのが印象的でした。
専用の記念撮影パネルと一緒に、インスタントカメラで撮影し、その場で写真を渡す無料サービスもあるんですよ。
高級、レトロ路線の観光列車が多い中、陽気な雰囲気が車内を包み、モダンで親しみやすい『ラ・マル・ド・ボァ』。新たな旅客車のカタチを満喫する約1時間の旅は、ほんとにあっという間で、後ろ髪グイグイ引っ張られながら終点の宇野駅で下車しました。
ぜひ、あなたの旅行カバンを乗せて、トクベツな『ラ・マル時間』を味わってみてくださいね!
ラ・マル せとうち(宇野みなと線)
運行日/土日祝日(瀬戸内国際芸術祭の会期中は水曜以外毎日運行)
1日1往復(岡山発10:10、宇野発15:00)
料金/大人1350円(乗車券+グリーン券)
ラ・マル せとうち(瀬戸大橋線)
運行日/2016年7~9月の毎週金曜日
1日1往復(岡山発10:11、高松発14:25)
料金/大人2490円(乗車券+グリーン券)
電話/086-225-1170(JR西日本岡山支社)
瀬戸内Finderフォトライター ハタノエリ
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ハタノ エリ
1978年宮崎県生まれ。愛媛県松山市在住。 新聞記者のちフリーライター。 日常にも、おもてなしの心があふれる愛媛。2年前、この地を離れても忘れられず、2017年春、戻ってきました!訪れたらきっと、大好きになる。そんな確信があるからこそ、誰かの「愛媛行き」を、グッと後押しする記事を書いていきたい。
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