ベンガラ産地の歴史が残る高梁市吹屋の赤い屋根の風景
吉備高原の山あいに、赤い屋根の村があります。
吹屋(ふきや)地区は、江戸時代初期から銅山町として発展しました。幕末から明治にかけては、日本唯一の弁柄(ベンガラ)の巨大産地としても栄え、その面影を今に伝えます。
赤色顔料として用いられるベンガラ。吹屋では、建物の漆喰壁も、窓の格子もベンガラの赤銅色に染まっています。財を築いた豪商たちが、島根県の石州(せきしゅう)から宮大工たちを呼び寄せ、統一された構想のもとベンガラの産地らしい屋敷を街道沿いに建てたのだそうです。
建物の屋根が赤いのは、日本三大瓦のひとつ石州瓦や、同じ粘土瓦の塩田瓦を使っているから。
家々だけではありません。江戸時代末期に建てられたとされる本山山神社の本殿も赤銅色をしています。
シンボルカラーは、バス停の小さなマークにまで採用されていました。
平成24年3月まで子ども達が実際に通っていた旧吹屋小学校校舎も、特徴的な町並みにマッチしています。東西の校舎は明治33年(1900年)に落成。
中央の本館も明治42年に建てられ、合わせて『日本最古の木造校舎』と言われています。窓から中を覗くと、廊下にはお掃除道具が今も子ども達を待っているかのように並んでいます。
今年から保存修理工事が始まり、5年後には資料館としてよみがえります。
吹屋は昭和49年に岡山県の『ふるさと村』に、その後国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、平成24年には都市景観大賞を受賞するなど、幕末から明治の先進的な町づくりと、現代までその町並みを守り暮らしてきた住民の努力が評価されています。
おすすめランチ!高梁市の特産トマトを使ったB級グルメ
裏の畑で収穫された野菜が、ひっそりと売られていました。
ところで、高梁(たかはし)市には、特産のトマトを使ったB級グルメがあるのをご存じでしょうか?
その名も、『インディアントマト焼きそば』。昭和50年代にこの地域の学校給食で親しまれていた『インディアン焼きそば』と呼ばれるカレー味の焼きそばに、高梁名産のトマトを加えてでき上がったメニューなのだそう。
市街地のJR備中高梁駅にほど近い『じゅうじゅう亭』さんでいただきました。しっかりカレー味のスパイシーな辛みが、とろふわ卵とさっぱりしたトマトで程よくまろやかになって、お箸が止まりません。
こちらで腹ごしらえをしてから、山道をドライブして吹屋に向かうのもおすすめです!
吹屋ふるさと村
住所/岡山県高梁市成羽町吹屋838-2
電話/0866-29-2222(成羽町観光協会吹屋支部)
http://takahasikanko.or.jp/modules/spot/index.php?content_id=21
じゅうじゅう亭
住所/岡山県高梁市正宗町1967
営業時間/11:00~15:00(14:30LO)、17:00~21:00(20:30LO)
定休日/木曜日
電話/0866-23-1211
http://jyujyutei.jp
瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか
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堀 まどか
堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328
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