『石柱渓』(せきちゅうけい)は、山口県西部に位置する全長約2kmの渓谷で、国の『名勝』および『天然記念物』に指定されています。
石柱渓の特長は、渓谷内のいたる所で『柱状節理』(ちゅうじょうせつり)が見られること。
柱状節理とは岩盤に入った柱状の割れ目のことで、マグマが冷えて固まる際に形成されます。
渓谷内の岸壁や河床などに四角~六角形の石柱が数多く見られ、この独特の景観が『石柱渓』という名称の由来になっています。
こちらが石柱渓の入口。この看板の奥の方には広い駐車場もあります。
細い川を渡り、しばらく坂を登ると石柱渓の案内看板が立っています。
ここからが本格的な渓谷散策のスタートです!
遊歩道は適度なアップダウンがあり、爽快な森林浴コースとなっています。
数十メートルおきに小さな滝が現われ、心地よい水音が辺りに響きます!
渓谷を散策していると、やはり目を引くのは不思議な石柱です!
淵の岸壁や河床などにも柱状節理が見られ、神秘的で美しい景観を作り出しています。
石柱渓の柱状節理は、白亜紀後期(約6500万年前)頃に形成されたもの。
通常の玄武岩や安山岩に見られる柱状節理ではなく、石英斑岩(せきえいはんがん)にできた珍しいもので、地質学的にも貴重です。
こちらは柱状節理の岩壁を流れ落ちる『閑山の滝』(かんざんのたき)。
この滝には悲恋伝説が残っています。
この土地の娘『お通』と長州藩士『衣笠万作』が恋におち、この渓谷内を愛の語らいの場にしていました。
しかし、身分の違いで一緒になれないことを悟ったお通は、急流に身を投じます。
それを知った万作は『閑山の滝』で切腹し、後を追いました・・・
この伝説をもとに、渓谷内には『おしどり観音』が建立されています。
コースの終盤では『招仙橋』を渡ります。スタート地点からこの橋までは、約1kmほどの道のり。
橋を渡って、さらにしばらく進むと『普賢の滝』(ふげんのたき)が見えてきます。
この先は広場になっていて別の自然歩道に至りますが、通常は折り返して来た道を戻ります。
石柱渓には滝が16本ほどかかりますが、いずれも高さは数mほどの小規模なもの。
しかし、その周辺に点在する柱状節理の岩盤が、他では見られない独特の景観を生み出しています。
あなたも、神秘的な『石柱』と滝を見ながら渓谷ウォーキングを楽しんでみませんか?
石柱渓
住所/山口県下関市豊田町大字今出1439
駐車場/あり(無料)
http://www.oidemase.or.jp/tourism-information/spots/10748
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
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松岡 広宣
松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/
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