交差点の一角にある蔦の絡まった洋館…いかにも怪しげで、営業しているのか、閉まっているのかよく分からない雰囲気もあいまって、徳島を代表する『入りにくい店』として知られています。
『怖いもの見たさ』でしょうか、最近若者の間で人気急上昇中なんです! その理由は、あの「世界的有名なファンタジー小説の世界みたい」だからだそうで…。
『世界的有名なファンタジー小説』とは、額に稲妻型の傷のある少年が主人公で、魔法使いがたくさん出てくる、あの作品です。それもそのはず。店内にある家具や調度品の数々は、オーナーが直接ヨーロッパで買い付けてきたものばかり。「徳島にいながらヨーロッパを感じられるような空間にしたい」、「食事をしているときだけは、嫌なことも忘れて楽しく過ごして欲しい」と、異世界のような空間づくりを徹底した結果、ヨーロッパのレストランをそのまま移してきたような店内が出来上がった、というわけです。
創業46年。紳士・淑女の社交場としてにぎわい、徳島の名士はもちろん、県外からも文化人や芸術家が訪れる文化サロンとしても親しまれてきました。その中には天才芸術家・岡本太郎さんも。この店を訪れた記念と、料理とサービスへ感謝を込めて壁にサインを残しています(※現在は壁へのサインは中止しています)。
食材やワインを調達するため、今でも年4回は渡欧するというオーナーの川端富美子さん。セラーの中にはヴィンテージワインもいっぱい。
「行ってみたいなー」と思われた方におすすめなのが、毎年恒例の『パリ祭』。7月中旬~7月末まで行われる謝恩ウイークでコース料理1名8000円(税込み)という破格でいただけます。毎年予約でいっぱいになるので、早めに問い合わせを。オーナーは英語にも精通していますので、外国の方もどうぞ。
学生さんやアルコールNGという人はランチタイムのカレーコース(スープ・フランスサラダ・紅茶付、1500円)はいかが?牛肉がホロホロになるまで煮込んだ本格欧風カレーは、スパイシーで虜になる旨さ!この空間でカレーを食べること自体、レジャーと言っていいでしょう。パエリアやパスタも人気です!(盛り付けは変わる可能性あり)
あ!肝心なことを忘れていました。この店のオーナーは生粋の阿波女(あわおんな)。情が深く、世話焼きで、常連さんから「ママ」とか「マダム」と呼ばれ、親しまれています。これまで何人もの男女の仲をとりもち、恋愛相談や悩み相談にものってきました。徳島を旅したときに、異色の思い出を作りたい人は、ママとのトークタイムもお土産にどうぞ。
フランス料理 人形の家
所在地/徳島県徳島市助任橋4-13-3
電話/088-622-5450
営業時間/11:30~14:00LO、17:00~21:00LO
定休日/月曜(祝日、予約がある場合営業)
駐車場/有り
カード/可
※価格の目安はランチコース 3800円~、ディナーコース 6500円~。来店はできるだけ予約を。
瀬戸内Finderフォトライター 飛田久美子
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この記事を取材したフォトライター
飛田 久美仔
飛田久美仔(とびたくみこ) 1973年生まれ。 徳島県在住。 徳島県の出版社で10年以上勤務し、月刊誌の編集長を務める傍ら、MOOKや企業のパンフレット、HPなどの制作に携わる。2014年12月よりフリーのライター兼編集者に。美味しいもの、楽しいこと、新しいものはいち早く知りたいタイプ。自分史や自費出版の編集、電子書籍なども気軽にご相談を! 2015年4月より地域おこし協力隊として、移住対策と地域資源の活用がライフワーク。
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