岡山県南西端に位置する、タコの産地で有名な下津井。
ダイナミックな瀬戸大橋と、昔ながらの漁村が混在するフォトジェニックな場所です。
そんな下津井の住宅街に、今話題の現代アート美術館があるんです。
のぼりを道しるべに、『なまこ壁』を探せ!
瀬戸内海に面した道路を進むと、見えてくるのがこののぼり。この地の字名を入れた『吹上美術館』が今回の一押しスポットです!
案内板に沿って狭い脇道を入っていくと、倉敷伝統の『なまこ壁』が見えてきました。
入口は、美術館というより醤油蔵みたいでしょ?
地元にゆかりのある作家さんを紹介
この日は、岡山出身の若手アーティスト炭田紗季さんの作品展。下津井の町並みと、高層ビルや英語の落書きなど、異質なもののコントラストを描いた大作が並びます。
炭田さんは、実際に下津井に滞在してイメージを作り上げ、創作活動に取り組みました。
観るだけじゃない美術館
3月に訪れたときは、今注目を浴びるテキスタイルアートの樫尾聡美さん(岡山在住)の作品が1階スペースを埋めていました。作品のなかに自在に観客が入り込める展示内容に、子どもたちも大興奮(わが子、寝転んでいます)!
『吹上美術館』は、ワンフロアの広い1階と、ショーケースに囲まれた2階が展示スペース。基本的に1階は「体験を持ち帰ることができる」がコンセプトなんだそう。
6月に再び訪れると、樫尾さんの作品は2階のショーケース内に場所を変えていました。感触を楽しんだ前回と違って、表現のディテールに目がいくからフシギ。
『吹上美術館』を運営するのは、東京と岡山を中心に活動する美術作家の片山康之さん。
2013年から、仲間と一緒に地域のアート活動に取り組んできたそう。地元の人たちとミーティングを重ね、2015年、空き美術館を再利用し『吹上美術館』をスタートしました。
アートをもっと身近に
「地域に根ざした新しい文化、芸術の価値を築きたい」と片山さん。館長も監視員も学芸員も存在しない、フリースタイルの運営がこの美術館の特徴。美術界に存在するヒエラルキーに抗う片山さんの想いが、作家選びを含め、空間全体に行き渡っています。
わが家気分でアートを味わう『吹上美術館』。心の中にあるアートの敷居をとっぱらいに、訪れてみませんか?
吹上美術館
※2016年7月17日までは入館無料。展示内容は下記ホームページを参照ください。
所在地/岡山県倉敷市下津井吹上1-3-9
営業時間/10:00~17:00
開館日/土、日曜
入館料/中学生以上500円、小学生以下無料
電話/050-6865-2539
Pあり/下津井地区漁連駐車場(10台)を利用
ホームページURL/http://www.fukiage.jp/
瀬戸内finderフォトライター ハタノエリ
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この記事を取材したフォトライター
ハタノ エリ
1978年宮崎県生まれ。愛媛県松山市在住。 新聞記者のちフリーライター。 日常にも、おもてなしの心があふれる愛媛。2年前、この地を離れても忘れられず、2017年春、戻ってきました!訪れたらきっと、大好きになる。そんな確信があるからこそ、誰かの「愛媛行き」を、グッと後押しする記事を書いていきたい。
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