呉市内の約30の神社では、毎年11月3日に『秋祭り』が行われます。
この秋祭りを堺に、呉市民の気分は年の瀬へと向かっていきます。
秋祭りに登場する『やぶ』とは、呉特有の呼び方で、見た目は鬼です。
その役割は、竹の棒を持って祭りの時に現れる神様の警護。
それに加え、神様の道案内と、神様に奉納される米の出来具合のチェックをする役割を担っていると言われています。
『よごろ』と言われる前夜祭になると、鬼の姿をして神社の周辺や商店街をうろつき、子供たちを竹の棒で脅します。
警護とはいえ、子供にとって、ときには大人にとっても『やぶ』はとてつもなく恐ろしい存在なのです。
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秋祭りのクライマックスは、俵神輿を氏子が神社に奉納する行事で終えます。
ただし、それも一筋縄ではいきません。
『やぶ』が神社に待ちかまえ、俵神輿が入っていくのを激しく阻止しようとします。
まるで奉納の邪魔をしているように見えますが、実際は竹棒で俵を揉んで変な米を奉納しようとしていないかをチェックしているのです。
更に、俵に入った米を棒で揉んで精米してから神様に奉納する意味もあるようです。
クライマックスのこのシーンは、ドラマでも見ているかの様な荒々しい光景です!
酒が入りますます気の荒くなった『やぶ』は、竹棒を持って大声上げて大暴れ。
俵神輿の攻防戦が1時間以上に渡り繰り広げられます。
子供は『やぶ』に怯えて大泣き!というのが祭りの風物詩。
大人も油断していると竹の棒で脅されますのでご注意を!
毎年11月3日は呉市内の神社を散策し『やぶ』の迫力を実際に体験されてみてはいかがでしょうか。
『呉の秋祭り』
所在地/呉市内神社
開催日程/11月3日
瀬戸内Finderフォトライター 江崎誠・菅波葉子(㈱Rainbow Sake)
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この記事を取材したフォトライター
Rainbow Sake
菅波葉子 ㈱RainbowSake 菅波葉子(広島県出身) 2011年ハワイから帰国後、広島県に帰郷。 日本国内&ハワイの広告会社勤務の後、日本酒を海外に普及するPR会社㈱Rainbow Sakeを立ち上げました。 『SAKEで世界を笑顔で繋ぐ』その架橋になりたい!という想いで、日本とハワイ・シンガポールを中心とした海外を行ったり来たりしています。 帰国する度に地元の魅力を再発見し、瀬戸内海の心安らぐ穏やかな景色、新鮮で素朴な海の幸&山の幸に癒されています。 ㈱Rainbow Sake http://www.rainbowsake.com
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