しまなみ海道最南端の愛媛県今治市が舞台となった映画『ボクは坊さん』。
原作者、57番札所、府頭山 無量寿院 栄福寺(ふとうざん むりょうじゅいん えいふくじ)の住職、白川密成(しらかわみっせい)さんが書いたエッセイが映画化されたものです。
この本は、書店販売員だった白川密成さんが24歳の時、祖父の死をきっかけに突然住職になることになった、その体験を書いたもの。
2001年12月から2008年7月まで『ほぼ日刊イトイ新聞』に231回連載され、1日140万PVを超える人気連載だったノンフィクションです。
主演は、俳優の伊藤淳史さん。
涙あり、笑いあり、感動ありの、とても素敵な作品です。
ロケはほぼ今治で行われ、美しい今治の景色もたっぷり堪能できます。
今回は、映画を見た人もこれから見る人にもぜひ知っていただきたい、映画の舞台でもある『栄福寺』の魅力をご紹介します。
2014年、開創1200年を迎えた四国八十八ヶ所。
2015年には、高野山開創1200年を迎え、最近では若い人や外国人の姿も多く見られるようになりました。
栄福寺は、今治の南にある府頭山の中腹にあり、周りには田畑が広がる昔ながらの日本の風景が残ります。
お寺の歴史は古く、810年弘法大師がこの地に立ち寄り、お寺のある府頭山の山頂で、安穏を祈願して護摩法を修法すると、海上から光溢れる阿弥陀如来が現れたため、阿弥陀如来をご本尊としてお堂を山頂に建立したのが始まりです。
境内の一番高い場所にあるこちらが本堂。
ここで、映画の撮影が始まる前、ご祈祷が行われました。
本堂の前に置かれている『箱車(はこぐるま)』。
これは、昭和8年にお参りされた足の不自由な少年が、栄福寺にお遍路でお参りされた時に乗っていた箱車で、ここにお参りして足が治り、そのご利益に感謝して奉納したものです。
この後、足腰守りのお寺としても信仰を集めています。
こちらは大師堂。
大師堂とは、弘法大師をお祀りしている所です。
映画の撮影は、弘法大師が開いた聖地、高野山でも行われ、ゆかりの地永福寺と共に、弘法大師の世界を感じることができます。
『長寿手拭守』。
栄福寺を信仰していた八十八歳の方が、米寿を得この文字を書いています。
これを持つことで、長寿になると言われます。
人間誰もが通る道、『生と死』。
人は死とどう向き合っていったらいいのか。
映画のテーマにもなっている『生と死』について、深く考えるきっかけにもなることでしょう。
境内には映画の大きなポスターが貼られていました。
お遍路さんの中にも、映画化を知って訪れている人もいて、そのロケ地としても今注目されています。
こちらが、原作者、住職の白川密成さんです。
映画の撮影の時には、お経の読み方や作法などを指導されていたそうです。
そして最後はここ。
ポスターの撮影場所でもある、お寺のある府頭山の山頂。
映画の中のシーンでも登場します。
今治が一望できる弘法大師も見た風景。
お寺を訪れたらぜひ山の上まで上がってみてください。
生きるヒントが沢山つまった映画『ボクは坊さん』をぜひご覧いただき、舞台となった永福寺に足を運んでみませんか?
第57番札所 府頭山 無量寿院 栄福寺
所在地/愛媛県今治市玉川町八幡甲200
電話/0898-55-2432
駐車場/有
定休日/無
http://www.eifukuji.jp/
瀬戸内Finderフォトライター 大橋麻輝
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瀬戸内Finder 編集部
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