山口県山口市の山あいにある徳地地区。海に面しているわけではないこの町に、『福田貝館』はあります。開館36年目を迎えるこちらで見られるのは、約3,500種類もの貝殻!すべて福田敏一さん一家のコレクションです。
貝の世界へのめり込んだきっかけ
本業はお医者さんだったという福田さん。なんと御年95歳。
「まだ息子が小さい頃、近くの八幡さんでキセルガイを拾ってきて、私にこれは何て名前かとか色々聞くわけ。海に連れて行っても貝ばかり見てるし、本当に貝が好きな子でした」
そんな息子さんの質問に答えたいと、ご本人も一緒になって貝について調べるようになったそうです。気づけば親子で国内はおろか、海外にまで貝を探しに行くようになりました。その後、息子さんは好きが高じ、岡山大学の准教授として貝の研究をされています。
幅広い貝コレクション
個人の収蔵レベルを超えている、充実した館内。いくつかある展示室には、分かりやすい説明書きがあります。砂浜で見かけたことがあるような貝も発見!
こちら、イモガイの仲間。実はどれも毒針を持つ貝だそうです。特に真ん中の『アンボイナ』は要注意。人を殺すほどの猛毒を持っています。
ツルンとした表面を持つタカラガイ。美しい姿の理由は、軟体が背中まで覆っているからだそうです。昔は貨幣として使われていました。
貝の巻きについて説明してくれる福田さん。一度に120°ごとの巻きの間隔で成長するというこの貝。伸びていく過程では、安全なところで隠れているそうです。
「貝は各々全く違う生態を持っています。そこが面白いしキリがないんでしょうね」
福田さんの頭の中には、貝の特徴や名前が入っています。その知識と記憶力に脱帽。そんな福田さんの一番のお気に入りが、こちら。
美しい紫色のオオシボリミゾガイ。スリランカへ行った際、朝もやの中を歩いていて見つけたそうです。色も模様も一番かわいい貝だ、と教えてくれました。
福田さんの貝殻のコレクションは、自然界のあり方の一端を考えさせてくれます。ぜひあなたも貝の奥深さに触れてみませんか♪
【おいでませ!山口】
●福田貝館
世界から集めた貝殻5,000種を所蔵し、そのうち3,500種が展示されている貝のミュージアム。館長福田さんの貝にまつわる様々なお話が楽しいです。個人のコレクションなので、訪れる際は必ず事前に電話連絡が必要。
所在地/山口県山口市徳地島地288
開館時間/9:00~17:00(予約開館)
入場料/無料
電話/0835-54-0011
FAX/0835-54-0024
瀬戸内Finderフォトライター 武井奈々
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