2015年11月17日、夜7時。
辺りは真っ暗、周防大島のとある作業場にポツンと明かりが灯ります。
なかには、一人の養蜂家と3人の若手農家。
6日後に控えた『島のむらマルシェ』開催に向けての最終ミーティングです。
頭を抱えたくなるほどやること山積み……ですが、会議はものすごく脱線します。
迫る開催日そっちのけで「農業でどうやって食べていくか?」に話がおよび、答えが出ないまま事務的なミーティングに戻る。その繰り返し。深夜0時を回ってもえんえんと続きます。
「いつも、です。その日のうちに帰れたことはほとんどないです(笑)」
目を充血させたメンバーが口を揃えて言います。
マルシェ当日。天気は晴れ!
「ずっと雨予報でしたからね。ほっとしました」
そう笑顔で話すのは『島のむらマルシェ』の発起人、島で養蜂を営む内田健太郎さん(31)さん。
メンバーは内田さんをはじめ、周防大島が好きでやってきた移住者。
「自然環境を守りながら、生産者と消費者が手をとりあって島の農業を支えていく。理想ですが、そんなことができたらとマルシェをはじめました。実際は挫折だらけで、やろうと思い立ってから開催まで一年以上かかりました」
それもそのはず、ここ周防大島は全国トップクラスの高齢化が進む島。島の主産業である農業の従事者は年々減少、耕作放棄地は増え続けるいっぽう。ましてや有機農家となると数はごくわずか。「すぐに結果がでることでもないので、楽しみながらやっていきます」と内田さん。
マルシェ開催は今回で4回目。
回数を重ねるにつれ出店者も増え、じつにバラエティ豊か!
有機無農薬の野菜や果物はもちろん、自然食品……
本や雑貨、スイーツにカフェ、有機食材にこだわった飲食店など約30のお店が軒を連ねます。
午後になると、天然酵母のパン屋さんが一斉に出店の準備をはじめます。
パンは前回、スタート1時間足らずで完売。楽しみにしていたお客様も多く、今回はお願いして午後からの出店にしてもらったとか。
作物を育てるように「ああでもない、こうでもない」。こつこつ微調整を繰り返しながらマルシェを作っていきます。
来場者のなかには評判を聞きつけ東京や大阪からやってくる人も。傍目からは成功しているように見えるマルシェですが、2016年からは違う展開を考えていると言います。
「年に数回のイベントだけだとどうしてもお祭り騒ぎで終わってしまう。もっと島の暮らしに根づいた形でできないかと模索していたんです。ようやく腹が決まりまして、春から『島の朝マルシェ』として新しくスタートさせる予定です!まずは隔週ではじめて、ゆっくりじっくり定着させていきたいと思っています。ますます会議が長くなりますが、それはもうみんなあきらめてます(笑)」
「みつけた、周防大島。」
●島のむらマルシェ
「オーガニックな生活をここから」をテーマに、自然環境に配慮してつくられた野菜・くだもの・加工品・雑貨・カフェなどが並ぶマルシェ。2016年からは本イベントを年一回、朝マルシェを隔週で開催予定。
[日時]2016年 秋(日時未定)
[会場]八幡生涯学習のむら(山口県大島郡周防大島町久賀1102-1)
【島の朝マルシェ】2016年4月2日(土)〜スタート!
[開催日時]第1&第3土曜日 8:00~13:00(マルシェ開店は9:00〜)
[会場]同上
<詳細・お問合せ>
[Mail]mura-marche@hotmail.co.jp(島のむらマルシェ実行委員会)
[FBページ]https://www.facebook.com/muramarche/?fref=ts
[URL]http://ameblo.jp/mura-marche
瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史
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by 瀬戸内Finder 編集部