【特集|周防大島】2合のお米で9人がお腹いっぱい!島に受け継がれる郷土料理は「先人の知恵」の宝庫でした。【PR】

地域ごとに古くから伝わる郷土料理。
その土地の料理を知ることは、歴史や文化を学ぶことでもあります。
瀬戸内海に浮かぶ山口県・周防大島(すおうおおしま)で、ふるさとの味を教えてくれたのは山根要子さん。

山根さんがよそっているのは、お茶で作った『茶粥(ちゃがゆ)』です。
おかゆと言えば、熱が出たときに食べる白いおかゆを想像しますが、島の茶粥は透き通った薄いピンクのようなあずき色。
昔は年中どこの家庭でも食べられていた、主食のようなものでした。

「わたしが子どもの頃は、毎日食べとったんよ。島は山が多くて平地が少ないじゃろ。じゃけえお米もよう取れんかったし、茶粥にして倹約しとったんやろね」
米が貴重だった島で、少しでも量を増やして食べられるようにと生まれた『茶粥』。
なんと、「2合のお米で家族9人がお腹いっぱいになる」ほどの量ができるそう。

「お茶の葉はどこの家の畑にも大体へりの方に植えとったね。茶粥は、使うお茶の種類も家や集落によって違う。季節のものを入れてアレンジもできるんよ。夏にはソラマメ入れたりね、腹持ちをよくするために小麦粉を練った団子やサツマイモもよう入れちょったね」

色々なエピソードを交えつつ、茶粥の作り方を教えてくれる山根さん。

「お米は洗わんって人もいるけど、私は1〜2回洗ってから鍋に入れるよ。お米入れる前に、茶袋を取り出すのを忘れんようにね。今は使い捨てのお茶パックがあるけど、昔はさらしで作ったお茶袋を使いよったんよ」

米がグツグツ踊るように、強火で18分炊きます。
サツマイモを入れるなら、輪切りにして皮付きのままが美味しいそう。10分ほど米と一緒に炊くと柔らかくなります。

あたたかな色をした茶粥。
ほんのりお茶の香りがして一日の始まりにピッタリです。さらさら食べられて、二日酔いにも効きそう!

ふたつめの郷土料理は、白ご飯と相性抜群の『糂汰(じんだ)味噌』。
海の幸が豊富な、島ならではの味噌です。
今回は島でよくとれるメバルを使って教えていただきました。

「焼いた魚を、身だけじゃのうて骨も使うんよ。骨は包丁で刻んでね、先にすり鉢ですっておくとやりやすいよ」
そこにお酒を少し入れてのばし、メバルと同量の味噌を加えてすりつぶします。春になると、島のお年寄りは山椒の芽を入れて作っていたそうです。

「私の家ではこれをお湯で溶いたものを、ご飯にかけてお茶漬けみたいに食べよった。どろっとして美味しかったね。やっぱりこれも大家族には必要なもんじゃった」

島では集落によって使われる魚が違い、メバルの代わりにヤハン(スズメダイ)や牡蠣でも作られるそうです。
味付けも砂糖を入れて甘めにしたり、それぞれの家庭で違うとか。
味噌に混ぜることで味に変化をつけられ、日持ちのする保存食にもなる『糂汰味噌』。季節ごとに豊富にとれる魚をどう楽しもうかと、昔の人はいろいろと工夫を重ねたのでしょうね。

お茶漬けのようにしていただくと、メバルのコクが効いてやさしく深い味わい。
お箸で味噌だけつまんで食べても、お酒がすすみそうです!

今回、山根さんに郷土料理を教えていただいた場所は、1日1組限定の宿『石鍋亭』。
オーナーの宮地さんご夫婦は去年、周防大島にIターンして宿をはじめられました。
宮地さんも島に来たばかりの頃、山根さんから茶粥の作り方を教わったそう。
今では宿泊客の朝食に茶粥を出し、子どもから大人まで大好評だとか。

みんなで茶粥を囲む団らんのひととき。
昔から食べられているふるさとの味は、新しく島へ来た移住者にもしっかりと受け継がれていきます。
遠い国のフルーツや季節外れの野菜が簡単に手に入るようになった現代。その一方で、徐々に食べられなくなっていくものもあります。
その土地の歴史が垣間見られる食文化を次の世代に受け継いでいく。今回お話を伺って、その大切さを感じました。
先人の知恵と工夫がつまった郷土料理をめぐる旅。あなたも出かけてみませんか。


「みつけた、周防大島。」
●体験交流『島のくらしをおすそわけ』
周防大島では山根さんも講師をつとめる『島のくらしをおすそわけ』と題した体験交流を実施しています。現在、冬コース(12月~2月)の参加者を募集中!島の人たちとふれあいながら、楽しくおいしい交流をしてみませんか?

詳しくはこちら↓
http://www.town.suo-oshima.lg.jp/news/t20151115-1_2_2_2.html

[申し込み・お問合せ]
周防大島くらし体験ネットワーク事務局
TEL:0820-79-1002 FAX:0820-79-1021
Mail:norin@town.suo-oshima.lg.jp

●石鍋亭
宮地さんご夫婦が営む島の宿『石鍋亭』では、今回ご紹介した糂汰味噌茶漬けや茶粥が味わえます。こだわりの無農薬有機野菜と天然の地魚、石鍋で炊いたご飯も絶品!
[住所]山口県大島郡周防大島町横見139
[料金]一泊二食 12,000円/人(税別)
[ご予約・お問合せ]
TEL:070-2354-1478 ※電話での受付は営業日の10時~17時まで
メール:contact@ishinabetei.com
[HP]http://ishinabetei.com/index.html

瀬戸内Finder編集部

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